100%天然素材を使用することによって、リサイクルが可能であり、森林の保護に貢献します。また、産業廃棄物処理も容易であり、CO2の削減を促進させる事ができます。
紙の素材特性から、通気性もあり「壁が呼吸する」事によって、常に快適な住空間が保てるのも、健康には欠かせないメリットがあります。
また、「シルクロード」に配合されているケナフは、カーボンニュートラル原料の使用としても注目されます。
地球の温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出を、世界全体で2050年までに現状の半分に減らそうと言う長期計画が掲げられています。(2008年の北海道洞爺湖サミットでは、具体的な数値目標が設定される予定です。)
当社の紙壁紙には、ケナフが配合されており、組成成分から印刷インクに至るまで、自然素材を100%活用した素材から構成されています。
植物は、成長過程で光合成によりCO2を吸収しており、将来リフォーム等で壁紙が廃棄される際にCO2を発生しても、理論的に地球上のCO2の量は増えません。これがカーボンニュートラルと言われ、化石燃料による塩ビクロスとの、環境問題における決定的な違いです。
表面層 | 裏打ち紙 | ||
---|---|---|---|
古紙 | 75% | 古紙 | 90% |
バージンパルプ | 15% | バージンパルプ | 0% |
ケナフ | 10% | ケナフ | 10% |
ケナフは麻の一種でアオイ科フヨウ属の一年草です。古くから米・麦などの穀類を入れるための麻袋を作るために栽培されていました。
広く東南アジアや中国、インド、アフリカ、中南米、米国南部、オーストラリア等で栽培されています。熱帯、温帯であれ瘠せた土地で育ち、4ヶ月から半年で木材の4〜6倍成長(半年で直径3〜5cm高さが4m)。
ケナフは光合体の働きが非常に活発な為、CO2を大量に吸収し地球温暖化防止に役立つ植物として貴重な原料資源と言えます。カーボンニュートラル原料使用としても注目されています。
紙壁紙が「環境と人の安全性」に良いとされる証明をオレフィン壁紙・塩化ビニル壁紙と比較したデーターが下記のNBS発煙性能試験結果の一例です。
煙濃度(DS) | 燃焼ガス分析(単位:ppm) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
4分後 | 最大値 | 一酸化炭素 | 窒素酸化物 | 二酸化硫黄 | 塩化水素 | |
紙壁紙 「シルクロード」 |
9 | 12 | 40 | 1 | 0 | 0 |
オレフィン壁紙 | 29 | 32 | 50 | 3 | 2 | 0 |
塩化ビニル壁紙 | 41 | 52 | 123 | 3 | 1 | 100 |
シックハウス症候群とは、新築やリフォームした家やマンション等に入居した際に、目や喉に痛みを感じ、時には吐き気やめまいの症状が起こり、体調が悪くなる比較的新しい病気です。
その要因の一部には、建材や家具、日用品などから発散するホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などの影響があると言われています。
「シックハウス症候群」については、正式な病名ではなく、まだ解明されない部分が沢山あります。しかし、人の健康と環境に大きな影響を与える事だけに重要なテーマと言えます。
「シックハウス」は、英語で「病気の家」と言う意味になり、「症候群」は、英語で「シンドローム」といいますが、心や体に異常症状が表れてもその原因がハッキリしない場合に、仮につけられる病名です。
アメリカでは「シックビル」症候群と呼ばれビルの室内空気を管理する法律がありました。日本の住宅もマンションを含め気密性や断熱性を高める省エネ対策が進み、一般の家庭から健康を害したという報告が増え、「シックビル」ではなく、「シックハウス」症候群として社会問題になってきた経緯があります。
一般的には、住宅に使用されている家具、建材、日用品などから様々な化学物質が発散されています。その要因には、住宅の気密性が高くなっている事が指摘されています。
また、省エネ対策として使用される断熱材などによって、換気が不足がちになる事もVOC(揮発性有機化合物〕発散になると言われております。
VOCとは、沸点が50℃〜260℃の範囲の揮発性の有機化合物で、トルエン(110℃)・エチルベンゼン(136℃)・キシレン(140℃)・スチレン(145℃)等の物質があります。
ホルムアルデヒドは、沸点が-21℃で、VVOC(高揮発性有機化合物)と言われ、壁紙で使用禁止されているクロルピリホスの沸点は320℃で、SVOC (半揮発性有機化合物)に分類されます。それ以上(380℃以上)は、POM(粒子状物質)と表示されています。
化学物質 | 指針値 | 主な用途 | |
---|---|---|---|
厚生労働省が濃度指針値を定めた13物質 | ホルムアルデヒド | 0.08ppm | 合板、パーティクルボード、壁紙用接着剤等に用いられるユリア系・メラミン系・フェノール系統の合成樹脂、接着剤・一部糊等の防腐剤 |
アセトアルデヒド | 0.03ppm | ホルムアルデヒド同様一部の接着剤・防腐剤等 | |
トルエン | 0.07ppm | 内装材等の施工用接着剤・塗料等 | |
キシレン | 0.20ppm | 内装材等の施工用接着剤・塗料等 | |
エチルベンゼン | 0.88ppm | 内装材等の施工用接着剤・塗料等 | |
スチレン | 0.05ppm | ポリスチレン樹脂等を使用した断熱材等 | |
パラジクロロベンゼン | 0.04ppm | 衣服の防虫剤、トイレの芳香剤等 | |
テトラデカン | 0.04ppm | 灯油・塗料等の溶剤 | |
クロルピリホス | 0.07ppb | シロアリ駆除剤 | |
フェノブカルブ | 3.8ppb | シロアリ駆除剤 | |
ダイアジノン | 0.02ppb | 殺虫剤 | |
フタル酸ジブチル | 0.02ppm | 塗料・接着剤等の防腐剤 | |
フタル酸ビス-2-エチルヘキシル | 7.6ppb | 壁紙・床材等の可塑剤 |
※太字は、建築基準法の規制対象物質
※ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド・トルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレンは住宅性能表示で濃度を測定できる6物質
※単位:→「ppm」「ppb」とは
建築基準法を守っていればシックハウス対策は充分だ、と言うことではありません。日常生活の中では、様々な化学物質の発生源があります。こまめに身の回りの日用品や換気等に心掛けることが大切です。
例えば、化学物質の主な発生源は、下図に示すように沢山の要因が見出せます。それぞれの対策として、「室内の換気」に心掛けましょう。