用語解説
- アセトアルデヒド
- 血液中のアルコールが肝臓のアルコール脱水素酵素〔ADH〕によって分解された中間代謝物質です。このアセトは、更に、アセトアルデヒド(ALDH)により分解されて酢酸になり、最終的には、炭酸ガスと水にまで分解される。(二日酔いの症状が体験例)接着剤・防腐剤などに使用される薬品で、煙草の喫煙からも発生する。
- エチルベンゼン
- 芳香族炭化水素の化学物質で、主に接着剤や塗料の稀釈剤として使用され、常温では可燃性の無色の液体。
- エチレン
- エチレン(ethylene:H2C=CH2,IUPAC命名法でエテン(ethene)二重結合を持つ有機化合物。つまり一番単純なアルケンといえます。かすかに甘い臭気を有する無色の気体で強力な酸化剤と反応しやすく、また引火しやすいため取り扱いには注意が必要です。工業的には、炭化水素を水蒸気と混合して800〜900℃程度の高温で熱分解し、生成物を蒸留分離してエチレンを生産する。
- エマルジョン
- Emulsionはラテン語の乳を意味するemulsioや乳を出すemulesからきています。主に接着剤の分野で水中に微細な樹脂の粒子が分散して、水が蒸発すると樹脂が残って接着力を発揮する。
- 顔料
- 水や油等に溶けない着色用の微粉末の総称。塗料、印刷インキ、絵具等ほか、化粧品やゴム等にも使用されます。有機顔料と無機顔料に大別されます。
- キシレン
- 芳香族炭化水素の化学物質で、主に接着剤や塗料の溶剤及び稀釈剤に使われます。常温では可燃性の無色液体で、厚生労働省の指針値は0.2ppm以下に規定されています。
- 可塑剤
- 塩ビ樹脂に混合し、柔らかさを与える薬剤です。塩化ビニル壁紙では、可塑剤の必要性がありフタル酸エステル類、樹脂酸エステル類、塩素化パラフィン類の種類があります。SV規格では、沸点の高い難揮発性可塑剤の使用を規定しており、リン系可塑剤は使用されていません。
- TCEP
- 1994年、朝日新聞で報道された可塑剤から「発がん性物質」の疑いがあると問題提起されて以来、現在は壁紙の製造では一切使用されていません。
- TVOC(total volatile organic compounds)
- 揮発性有機化合物をまとめて表す言葉。室内濃度測定の際に検出された複数のVOC濃度の合計した数値の事です。
- トルエン
- 芳香族炭化水素類の化学物質で、主に接着剤や塗料の溶剤、稀釈剤などに使われる。常温では可燃性の無色の液体で、高揮発性であり、厚生労働省の指針値は0.07ppm以下に規定されています。
- ホルムアルデヒド
- 常温では気体の物質で、主に工業原料(樹脂・接着剤等)に用いられるものです。ホルムアルデヒドは、空気中に微量存在するだけで、生物の皮膚、粘膜を刺激する。「ホルマリン」は、ホルムアルデヒドを約37%水で薄めた水溶液の事です。WHO及び厚生省が室内空気濃度の指針値を0.08ppm以下と定めています。
- 環境ホルモン
- 生体の成長、生殖や行動に関するホルモンの作用を阻害する性質を持っている化学物質の事で、正確には「内分泌撹乱化学物質(Endocrine Disrupting Chemicals)と呼ばれている。現在、内分泌撹乱化学物質として70種類に及ぶ物質が疑われているが、これらの中には、ポリ塩化ビフェニール(PCB)やDDT、ダイオキシン類のほか、界面活性剤の成分であるノニルフェール、ポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂の原料であるビスフェノールA、塩化ビニル樹脂の可塑剤に用いられるフタル酸エステルなども含まれている。
- 化学物質過敏症
- 化学物質が体内に急激に、又は、微量に蓄積されることにより起る症状。自立神経系を中心にした現代病で、住宅に限らず、自然界に存在する有機物質でも発病する可能性があると言われている。
- シックハウス症候群
- 居住空間において、高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用などにより、室内空気汚染が生じ、それが原因で自立神経や中枢神経を中心とした神経機能障害を引き起こす化学物質症候群に似た複雑な症状群。正確な判定基準が難しく、医学的にも研究中。
- ダイオキシン
- ダイオキシンは塩素系の有機化合物の総称で、一般的に発がん性などの有害性があるといわれ、ゴミ・廃棄物の焼却から発生するケースが多いとされ、都道府県の条令により、厳しい規制が施行されているケースもある。
- ppm(parts per millionの略)
- 成分比や濃度を表す単位で、1ppm=百万分の一。1ppmは、1立方センチメートル100万gの中1gにある。更に小さな単位としては、1ppb(10億分の1)がある。
- ISM(Interior Safety Material)
- 「生活環境の安全に配慮したインテリア材料に関するガイドライン」の事で(1995年)日本壁装協会が定める壁紙などインテリア材料に関する自主規格。ホルムアルデヒドの基準値を0.01ppm以下と定めている。
- RAL(Reich Ausschu β fur Lifebedingungenund uud Gutesicherung)
- 1900年ドイツの壁紙製造メーカー14社が設立した「壁紙商品安全協会」がRAL(ドイツ商品安全・表示協会)と協力して作成した品質検査規定の事。
- SV規格(Standard Value)
- ビニル壁紙の製造メーカー団体で「日本ビニル工業会ビニル建装会」が1998年に制定した自主規格。RAL規格やJIS規格、その他の安全壁紙のい制定趣旨・品質基準などを十分に考慮した基準が制定されている。
- JIS規格(Japan Industrial Standards)
- 日本工業規格。昭和24年に日本の工業標準化の促進を目的として制定された。壁紙のJISは、「A-6921」で規定されている。平成15年3月に4回目の改正が行われ、シックハウス対策に基づくホルムアルデヒド放散量=F-☆☆☆☆マーク等が設けられた。
- PL法(Product Liability)
- 製造物責任。欠陥商品などに対して製造業者や販売業者が負う法律上の損害賠償責任。
- MSDS(Material Safety Data Sheet)
- 事業者による化学物質の適切な管理の改善を促進するために、対象化学物質又はそれを含有する製品を他の事業者に譲渡又は提供する際は、その情報を提供する義務がある事を示す。
- 建築基準法
- 建築基準法は、大正12年に制定された市街地建築物法を見直し、昭和25年に制定されたもので、木造建築からレンガ造り、鉄筋コンクリートへの対応として建築物の基準規定が設けられている。
- 内装制限
- 昭和42年に建築基準法の中に取り入れる。防火壁装材の取り組みは、昭和44年から始まった。内装制限は、建築物における天井・壁に関する規定で、建築物の高さ、地下、面積、区画などによって、使用規定が設けられている。